昨年(2024年)から、ウェブアクセシビリティ向上への関心が再び高まり、取り組みが活発化している印象があります。しかし、実際に取り組もうとすると、学ぶべき範囲が広く、難しいという印象がありますよね。既存のサイトやアプリの改善には、チェック、方針策定、計画立案と、多くの手間と時間がかかるのが現実です。 一方、昨年もう一つ大きな話題となったのが、ChatGPTをはじめとする生成AIの進化です。画像を解析してテキストで説明し、UIをデザインし、コードまで書いてくれるではありませんか。 こうした技術の進展を目の当たりにすると、次のような疑問が浮かびます。 • 「AIが自動でチェックして、勝手に改善してくれたらよいのになあ」 • 「そもそも元からアクセシビリティが高いものをAIが作ってくれればいいのでは?」 • 「ウェブサイトの構造に関係なく、ブラウザや補助ツールが自動で対応できるようにならないのか?」 こうした期待は2025年4月時点でどこまで実現可能なのでしょうか。日本語でまとまった情報が意外と少ないため、海外の事例も含めて調査しました。 現在、どこまでAIがアクセシビリティ対応を担えるのか、どの部分は引き続き人間の判断が必要なのか。生成AIが前提となる時代に、私たちはどのようにウェブアクセシビリティと向き合っていくべきか。一緒に考えていきましょう。 得られるもの 以下のような分野における、アクセシビリティ向上観点での生成AIの活用事例 • デザインやコーディングで使用する開発ツール • axeなどに代表されるアクセシビリティチェックツール • いわゆるアクセシビリティオーバーレイ(ウェブサイトの画面上に補助ボタンが出現し、それを押すと表示形式などが変更可能になる、JavaScript製のウィジェットのこと) • スクリーンリーダー等に代表される支援技術 • ブラウザやOSのアクセシビリティ機能 さらに、上記を踏まえた、今後のウェブアクセシビリティへの向き合い方を考える材料。 • オマケ:本調査においてどのように生成AIを活用したかの解説 話さないこと • ウェブアクセシビリティの基礎知識 • WCAGなどのアクセシビリティガイドラインの読み方や解説 • ウェブ以外のアクセシビリティにおける生成AIの活用事例 ◦ 今回はHTML・CSS・JavaScriptで構成されるウェブサイトやウェブアプリを前提に調査・紹介します • 聴覚障害や精神障害に関わるウェブアクセシビリティでの生成AIの活用事例 ◦ 今回はGUIの知覚・理解・操作と直接の関係性が深い視覚障害や運動障害に関するアクセシビリティを中心に例示します ◦ 限られた時間のなかでまとまりある形で紹介するための選択であり、上記以外のアクセシビリティを軽んじる意図はありません • 生成AIをこのように活用すべし!といった断定的なナレッジの提供 • モバイルアプリにおけるアクセシビリティ向上の方法 ◦ → 書籍『モバイルアプリアクセシビリティ入門』をぜひご覧ください! • ウェブアクセシビリティ向上の取り組みを組織導入するための、よくある課題と解決方法 → 以下の連載記事をご参考ください! ◦ アクセシビリティを組織で向上させる-──たった一人から始めて-社内に認知されるまで 記事一覧 | gihyo.jp ◦ アクセシビリティを組織で向上させる──社内外の認知・効果測定から、新規開発への組み込みまで 記事一覧 | gihyo.jp